2017年10月9日月曜日

ベトナム VJEP 2017 報告書 (6) 吉村花林(上智大学総合グローバル学部1年)「一番大切なことは何か」

VJEP 2017-ベトナムプロジェクト報告書 (6)

「一番大切なことは何か」

上智大学総合グローバル学部
総合グローバル学科1
                            吉村花林

ものすごく充実した二週間、毎日本当に忙しく、朝から晩まで新しい経験ばかりを積み上げた二週間だった。新しいことを経験するのに精いっぱいで、私のベトナムでの経験はそれだけで終わってしまったような気もする。忙しすぎて毎日の予定をこなすだけの二週間。
帰国後に数人のメンバーと会い、今回のプロジェクトについて話し合った。そこで初めて見えてきたものや、気付いたことがたくさんあった。ベトナムにいるときから自分の中でもやもやとしていた感情の霧が晴れ、整理された心の中には後悔が多かった。しかし学んだこともそれと同じくらいあった。後悔が学びだったともいえる。
ベトナムに行く前、私は不安だった。自分の英語力や、具体的なスケジュールが分からないことも一つの不安要因ではあったがそのことが大部分を占めているわけではなかった。一番不安だったのは事前準備で全員が集まれなかったこと。みんなが自分と同じ気持ちや理由でこのプロジェクトに参加しているとは全く思っていなかったし、もちろんそれが当たり前だが、だからこそみんなの気持ちを知っておきたかったし、どんな人なのか会って話しておきたかった。日本メンバーにはその時間が足りな過ぎたように思う。
そのことが二週間ずっと私の不安要因だった。みんな精いっぱい頑張っていたし、何とか日程をこなしていった。しかし私はそのことに気を取られすぎていたのだと思う。「何とかやり切らなきゃ」「失敗しないように」「そのために自分ができることは」そういうことばかり考えていたような気がする。状況を見て必要なことを考えてこなすことができるのは、今まで漠然と自分の長所のような気でいた。しかしそうではないことに気付いた。それが成功へのたった一つの道ではなかった。失敗なく、プロジェクト自体を成功させることはもちろん大切だが、「失敗なくこなす」ということを達成することは自分の中での成功を意味するのだろうか。パフォーマンスのような、人に楽しんでもらうことは失敗なくやることが大前提だ。しかしこのプロジェクト全体は?自分は何のために参加したんだっけ?
私の後悔は、プロジェクトに純粋に『参加』できなかったこと。不安要因ばかりに気を取られることで、やり逃したことがたくさんあったのではないかと思った。
たくさんのことを学んだ。ベトナムにいればいるほど、またベトナム人と関わり、話をすればするほど、頭で知っていただけの知識がかけがえのない経験として自分に刻まれた。実体験を通して考えが変化した。自分でベトナムに行き、実際に経験したり目の当たりにしたり、様々な新しい経験が私の中に自分の一部として刻まれていくのを実感した。ちょっとした日常の出来事が日本では絶対に起こりえないことで驚くことも多かった。自分が持っていた知識が表面上のものでしかなく、自分がそのことに関して意見を述べられるほどの立場には程遠いことも実感した。ベトナムメンバーは、本気で何か一つのことにみんなで向かっていくとき、それぞれの個性や得意分野を一つの団体としての強みとする術を示してくれたし、一人一人との会話も価値ある大切なものだった。観光では決して得られない経験と仲間。仕事は誰かがやらなきゃいけないし、実際スケジュールをこなすことも最低条件だ。しかし私はもっとこのような価値ある時間を優先すべきだったのではないか。もう少しわがままを通してもよかったかもしれない。そうしたら今回学んだこと以上を得られたかもしれない。それがもやもやした気持ちの正体だったのだ。同じ気持ちのメンバーがいたこともわかったし、ベトナムメンバーでそれに気づいていて帰国後に長い労いのメッセージをくれた人も数人いた。頑張ってよかったと思うと同時に、もっと会話すればよかったと思った。次は絶対にそうしようと心に誓った。
あるベトナムメンバーの帰国後送ってくれたメッセージ、私が今回の後悔を伝えると、「今回のVJEP、プロジェクト自体は終わったけれど、それは僕たちの関係の終わりを意味するわけじゃない。これからのためのVJEPでしょ?」ベトナムでもっと話したかった思いはお互いにあった。でもそれは全員にあてはまることだった。今はこれからの関係のきっかけに感謝している。後悔しなかったらこの関係をこんなに大切に思えなかったかもしれないし、自分の弱点に気付かないままだった。
後悔はあってもこの二週間は間違いなく私に大きな変化を与えたし、大切な経験だったことに変わりはない。このプログラムにかかわったすべての人に感謝している。将来国際協力に関わることがしたいと考えている私には実体験としてのはじめの一歩となる大きな出来事だった。また、国際協力といっても結局は人と人とのかかわりに過ぎず、日本人同士でさえみんな違って難しいということも再確認した。違うのだということをお互い納得して協力すれば、うまくいかなくても違いのせいですれ違っているのかも、と話し合いができる。結局私のプロジェクトを通しての不安もそこからきているように感じたのだ。しかし違いをお互い認識することで心のどこかに遠慮が生じ、率直な議論ができなくなる時もあるから面白い。この発見も今回の収穫だ。

様々な経験ができたこと、自分を客観的に振り返られたこと、素敵なメンバー、二週間の出来事、帰ってからの話し合い、全部を今の自分が経験しているというだけで変われたなと思う。これから先この後悔や発見を最大に活かしていくことで、参加するにあたって支え、応援してくれた人への感謝としたい。

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