2023年11月1日水曜日

「VJEP 2023に参加して」 (京都外国語大学 国際貢献学部グローバルスタディーズ学科4年 若井倭)

  空港に着き感じた異国の雰囲気、目につくもの、におうもの、食べるもの、すべてが初めてで胸が躍ったことを昨日のように覚えています。空港でのタクシー、ホーチミンで利用したバイクタクシー、市場の雑貨屋さん、時には過剰な料金を請求されることはありましたが、今となればいい思い出です。


プログラム終盤に行われた日越合同3チームで行ったcircular economyを用いたビジネスプランを発表するプレゼンテーションでは特に学びが多かったです。ベトナムチームの意見はいつも私の想像を超え驚きました。1つは可能性の違いです。例えば、私が考える実現可能性とベトナムチームの考える実現可能性は全く異なるものでした。私の「できる」は「(日本なら)できる」であって日本から離れたらそれは常識ではなく、それはベトナムチームのメンバーも同様です。プログラムを通して経験から生まれる可能性の差、文化から生まれる可能性の差の2種類があると感じ、当たり前のことではあるけどグローバルスタンダードを持っていることの重要性と、日々の生活に疑問を持つ重要性に気づきました。2つは異国のメンバーと作業する際のマネジメント力の重要さです。時間の調整をするタイムマネジメント、相手の気持ちや健康を保つために必要なヘルスマネジメント、一人一人がリーダーシップを持って作業する重要性を痛感しました。特に日本人の多くはタイムマネジメントの能力が国際的にみても高いといわれており、日々の練習と実践が大切だと感じた場でもありました。また、マネジメント能力が必要であると感じた理由の一つに前述した日本人としての常識や文化が関係していると考えました。物事は〇から始まって×で終わるべきだという文化的な思想が意識していないだけで既にあり国際的な場に出て互いがそれを出すことで会議が進まない、結論が出ない、などの問題が起こりやすくなっていると感じました。そのため、上記の内容と重複しますが、リーダーシップとマネジメント能力が重要であると感じました。

生活、食事、勉学を10日間ともにしアカデミックな内容はもちろん文化についても学ぶことができました。同じ部屋で生活することにより、同じタイミングで食事し、睡眠をとり、より深く文化を学ぶことができました。その中で私が一番感銘を受けた内容が、礼儀に関してです。日越ともに中国の影響を受けているという事もあり、似ている点が多く、勤勉さや礼儀正しさに毎日驚きました。その中で食事のマナーへの影響に驚きました。年長者を大切にする文化があるため、年長者が食べるまで箸を持たない、下座、上座などのルールも日本と同様で文化の相違性に気が付きました。ですが、ここで興味深いのは日越の文化の相違性だけではなく、中国ではそれが「古いマナー」であると言われている点です。文化が発祥した地域で廃れていく文化が受け入れる側の国で続いているというのはすごく興味深く、他にもこのような例が文化だけではなく政治や国民性などにも出ているかもしれないと思うと文化が人に与える影響の大きさを学べたと感じました。

プログラム中、奨学金の授与で現地の中学校を訪れた際、金銭面で通学、進学が難しい生徒と会い、会話は少なかったものの、学びたいという意欲がすごく伝わりました。あるアンケートによれば、ベトナム人1万5千人中の8割は自己の努力により、未来は豊かになると回答しており、ベトナムで育った環境、おかれていた境遇が勤勉で真面目な彼らの一面を作ったのではと考えました。比較的恵まれた場所で生活し大学にも通い自身のやりたいことができる今の環境に感謝し、物事をより真摯にアグレッシブに精力的に取り組まないといけないと感じました。彼らの見ている世界は私には見ることができないかもしれないが、その情熱を見習いまねる必要があると感じました。大学で貧困や飢餓などを学んでいるため、実際にふれあい同じ目線に立つ機会があり、すごくいい経験であったと考えています。

最後にこのプログラムに参加するにあたって、おそらく最年長での参加という事もあり自分の役割を模索していた時期がありました。最年長である分、バックアップや裏方に徹し、問題があれば裏から手助けをしたほうがいいのではないか、逆に経験がある分、先頭に立って議論を回すべきなのか、というようなことを渡航前に考えていました。ですが、参加し、年齢での役割分けは得策ではないのではと考えました。社会人になってからでも年齢を気にせずアグレッシブに議論に参加するその姿勢が重要なのではないかと考えました。

今回のプログラムで個人的な反省点は山のようにありますが、同時に多くのことを学ぶことができました。私にとっては学生生活の集大成となるイベントがVJEP 2023で本当に良かったと思っています。今回のプロジェクトに関わってくださった多くの皆様方に、深く感謝いたします。ありがとうございました。



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