「私が感じたネパールと日本の違い」
東京経済大学
現代法学部現代法学科2年
遠藤貫太
9月5日から9月17日までの12日間ネパールに訪問した。このネパールでの滞在中に様々なことを経験し学ぶことができた。私は、東南アジアへ行くことは今回が初めてであったことに加え、発展途上国と呼ばれている国に行くことも初めての経験であったということから全てが新鮮であった。そのため日本とネパールに違いについて着眼してプログラムに参加した。この研修で大きく分けて二つ感じたことがある。
一つ目に感じたことは、ネパールの人々の『心の豊かさ』が私の知る日本と全体的に比べて見てとても豊かであるということだ。細かく分けて2つある。まず第一に挨拶と笑顔についてである。これは、ネパールに到着しネパールメンバーから感じたことだ。目が合えば必ず笑顔で反応してくれた。訪問した二つの村でも同様、村の人々は挨拶をしたら必ず笑顔で返してくれた。私の感覚では、日本で同様にした場合、挨拶は返してくれるが笑顔で返してくれるだろうか。おそらく笑顔で挨拶されたほとんどの人が戸惑うであろう。
そして第二に、ホームステイで感じたおもてなしの心である。12日間のうち4日間ホームステイをした。そこでの私たちに対する振る舞いに私は驚かされた。初めてホストファミリーと顔を合わせた時に私がまず考えたことは、自分たちはどのように相手から思われているのであろうという疑問であった。なぜなら、私たちは日本から来ていて経済的にもネパールと比較した場合、生活水準などは高いだろう。そういうところから来た私たちが本当に心の底から家に歓迎されるのかなど考えた為、先ほどの疑問が生じたのだ。しかし、実際にいってみると心から歓迎されていると感じた。それは、私たちが寝る部屋や使うもの全てにおいてその家にある一番良いものを使わせてくれているということに気づいたためである。使うものだけでなく、食事に関しても一番初めに私たちが済ませ、そのあとにホストファミリーが食事を済ませていた。それに加えてご飯の量もたくさん用意してくれていた。その瞬間私は本当に感動した。
そこで私はなぜそこまで私たちを歓迎してくれるのか、そして前述した挨拶について、この2点をあるネパールメンバーに尋ねてみた。返事はこうだった。まず、挨拶に関してはとても大切にしているものの一つであるから、挨拶はしっかりと返すということだった。続いて、おもてなしに関しては、家に来るゲストはとても大切に扱うということからという理由からだった。これだけ聞くと日本でもこのようなことは当然に行うであろうと考える人もいるかもしれないが、ネパールの地で日本とは生活水準が明らかに違えば言葉も違う状況の中で、あのような歓迎をされると思ってもみなかった私からすると、とても感動的であると同時に彼らは心がとても豊かであると感じた。
二つ目にインフラストラクチャーにおける違いである。ネパールに到着して航空機から降りたその瞬間からこれについて感じた。空港には、ボーディングブリッジ(建物と航空機をつなぐ役割を持つもの)がなく滑走路も一本しかない。加えて、滑走路の構造上の問題やその他にも様々な問題から航空機の運航に遅れが生じていているという状況だった。空港だけでなく街中に目を向けてみても、コンクリートでしっかりと舗装されているところもあるがそうでないところの方が多い印象を受けた。その為晴れていれば砂がまき上り遠くが見えないほどである。あまりに空気が悪く現地の人々も皆マスクを着用するほどであった。一方で、雨が降れば道路は、とても緩い状態と化していた。私はその目に飛び込んでくるこれらの風景にただ茫然と眺めるしかなかった。これ以外にも電柱に繋がれている電線、建物の形などが特に印象的であった。
ネパールへと行く前から、このような状況であるということは理解していたつもりではいたが、実際に行ってみるとイメージとはよりももっとひどかった。中でも一番印象的で私自身が苦しめられたのが道路である。私たちは今回の研修中でバス移動やジープ移動を経験した。バス移動では、18時間もの間ひたすらでこぼこ道を進んで行き移動中ほとんど睡眠を取ることができなかった。また、ジープでの移動に関してはもはや身の危険をも感じるレベルであった。ジープで移動した道はジープの車幅と道路の幅がほぼ同じであり、一歩間違えれば数百メートル一気に落ちるようなものであった。このような道路状況のネパールに対して日本が国として行なっている支援は、継続的なものから単発的なものまで様々あるが、実際に滞在してみてまだまだ支援の手が必要な国であると感じた。
最後に、この研修に参加したおかげで今までで一度も経験したことないようなことを経験できた。そしてそこから数え切れないほど多くのことを学んだ。現地のネパールメンバーやホストファミリーからはネパールと言う国の素晴らしさ以外に留まらず、私自身との比較で相対的に様々なことを学ぶことができた。食文化、生活スタイル、価値観など、挙げればきりがない。これ以外にも私が気づいてはいないが学んでいることもたくさんあるはずだ。この貴重な体験を無駄にすることなく、今後の学生生活の糧として自分自身を成長につなげて行きたい。将来的には、学生のうちに一度で良いから時間とお金を作ってまた訪れてみたい。そう思えるような素晴らしい研修であった。
このような素晴らしい経験をする機会を与えてくださった関教授をはじめコーディネーターの方々、この研修に関わった全ての方々に感謝したい。
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