今年の夏、大学二年生の夏休みなのにインターンを何も申し込んでないと焦っていたところに、AAEEの学生アシスタントの方からこのBangladesh-Japan Exchange Program(BJEP)についてのお話を伺いました。バングラデッシュのことを何も知らない状態でしたが、コロナ自粛で何もしていない自分が嫌になっていた頃にこのお話を聞き、夏休みに何かをしたと言えるような経験になると思い、応募を決意しました。
面接はお一人とすると思っていたところ、AAEEの学生アシスタントの方お二人と教授の関先生までいらした上にいきなり英語面接が始まったので、非常に焦りました。あまり満足いくようにアピールはできなかったように感じましたが、翌日の朝に面接を通過したとの報告をいただいてとても嬉しく、その日一日は上機嫌だったことを覚えています。八月末から始まる予定のプログラムでしたが、その前から事前交流という形で日本人メンバーとバングラデッシュ人メンバー各八名で、プログラム開始数日前から毎日数時間Zoom会議をして仲を深めていきました。その時はシンプルに交流をするという名目だったにも拘らず、会の終わりの方になってくるとバングラデッシュの参加者は日本の教育について聞いてくれるなど、既に議題の内容に関心を示して真剣にディスカッションを始めていて、メンバーの関心度が高くて難易度の高いプログラムになると感じていました。
その予想は大当たりで、プログラムが開始していきなりディスカッションが始まりましたが、自分の準備不足が顕著に出てしまい、ただでさえ意見を思いつくのも発するのも苦手なディスカッションではたじたじでした。印象に強く残っているのは、バングラデッシュ側のオーガナイザーのタウシック君がまだ高校生であるにも拘らず膨大な知識量とピカイチの言語力で丁寧に議題の現状と問題点を説明してくれたことです。プログラムを通して周りの参加者の皆さんに刺激をたくさんいただいた中でも、高校生でそこまでの賢さを有するタウシック君を見て自分はこのままじゃダメだと本気で思わされたのはこのプログラムで刺激を受けたたくさんのことの中の一つです。
ディスカッションでは恐らくメンバーの中で一番発言出来ませんでした。あとから代表のさえさんから「野上さんが一番心配だった…」と言われ、それも無理はないなと思います。
ディスカッションを終えた後はチームリサーチに入りましたが、ここで一番の壁にぶち当たったように思います。私たちのリサーチチームはバングラデッシュ側の一人がデバイスの問題でプログラムにもう参加できなくなったことを理由にバングラデッシュのマハブッブ、日本側のまいさん、そして私の三人のチームでした。事前交流やディスカッションで既に仲良くなっていたメンバーだったのでコミュニケーションは問題なく取れると思っていたのですが、そう簡単にはいきませんでした。まず私たちはリサーチする内容を誰も理解しておらず、違うことに貴重な時間を費やしてしまい、結局それがプログラムの後半に響いてくる結果となってしまいました。その上、リサーチを始めたら途端にお互い言っていることが通じなくなり、難しい議題であったからかコミュニケーションの壁というものをそこで始めてしっかり認識しました。お互い第二言語なので思えば当然なのですが、ここまで英語で会話が流暢にできる者同士、なぜこんなにも言いたいことが通じないのだろうと中盤にとても悩み、オーガナイザーのふみやさんにも相談に乗っていただくなど、たくさん試行錯誤してたどり着いたのはアプローチを変えてみることでした。そしたら不思議なことに急に彼の言いたいことがわかるようになって、進行がかなりスムーズになりました。
あとから考えると、言語が通じなかったのはしょうがないことで、双方のコミュニケーションが取れなかったのは言葉の外にある性格の考慮(彼は一人で頭の中の整理をしてから伝えたかったり、彼なりに考えていることをじっくり、正確に私たちに伝えたかったのだと思います)またコミュニケーション方法の駆使(求めるものをシンプルにする、言っていることがわからなかったら文面にして書いてみる)の問題であったことがわかりました。このコミュニケーションを一生懸命とっているのに上手くいかない状況が恋愛みたいだと冗談で言っていたのが思い出されます。しかし、リサーチ内容以外にも人間関係に関するこの気づきを得られたのは、予想もし得ない環境でぶち当たった困難でしたが結果的に良い経験と知識を得られたと感じています。
結局無事にリサーチと本番のプレゼンも終わり、皆んなで反省会をしたのですが、一週間毎日パソコンに何時間も向き合ってこのメンバーとディスカッションをすることが当たり前になっていたので、終わる実感がしませんでした。私はただ参加しただけなのに、想像をはるかに超える学業の面での成長、それに伴う人間関係の新たな面の学習、そしてプログラム参加者の皆さんと色々乗り越えてきて絆を生み出すという様々な経験を享受できました。オーガナイザーの方々が一ヶ月という短時間でたくさんの時間を費やされて出来上がったプログラムに私は受け身で参加させていただいて、ただで参加させていただいてよかったのかなと思うくらいの実りです。何も貢献できず享受してばかりの期間となってしまいましたが、私にとっては本当に実のある濃い一週間を過ごさせていただくことが出来ました。このプログラムを通して出会い、そしてお世話になった全ての方に感謝をし、この経験を忘れずにこれからの生活でも何かしら活かさせていただきます。このような貴重な機会をいただき、たくさんの学びをくださった皆様、本当にありがとうございました。
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