2020年10月24日土曜日

バングラデシュ BJEP 2020 (Bangladesh-Japan Exchange Project 2020) 報告書(5) 田中朝(立命館アジア太平洋大学アジア太平洋各部1年)「 苦しかった8日間」

 今回のBJEPでは、日本からの参加者、バングラデッシュからの参加者どうしで決まったテーマについて熱く語り合った。毎日5時間、合計40時間以上それもオンラインで時を共にした。振り返ると、こんな貴重な経験は誰もができることではないと感じた。と同時にこの8日間は自分にとって苦しい8日間であったのは、確かである。その理由は後に話そうと思う。まず、自分がこのプロジェクトに参加するのを決めた理由を話したい。実を言うとBJEPに参加した理由は、自分はただ単に他大学と学生と交流したかったのと要項を読んでバングラデッシュという国に少し興味を持ったからだ。言わなくてもよかったけれど、せっかく書く報告書、全部自分の全てを書きたいと思う。参加動機が薄っぺらだったこともあり、貧困と教育について真剣に話し合った8日間は、少し苦しかった。


 とは言ったものの、自分は貧困と教育にまったく興味がないと言うわけでもない。今いる大学に入る時は、面接で「一人でも多くの、子供を幸せにしたい」と言ったし、真剣に幸せになって欲しいと思っていた。でも、なぜかその思いは時間が経つに連れて薄れていった。こんな心情の変化が起り、大学で授業を受けつつ、遊びつつの生活をしている時にBJEPに出会った。最初に要項を見た時は、参加するつもりはなかった。でも、「貧困」「教育」と言うテーマにひかれた。前に興味があった分野でもあったため、軽い気持ちで参加した。最初は順調だった、日本の相対的貧困やバングラデッシュの絶対的貧困について、リサーチをし、バングラデッシュの参加者と議論を交わした。でも、最終プレゼンテーションが近づくに連れ、自分は自分とかけ離れた問題に何を「善い人」のふりをして話しているのだろうと思うようになった。それどころか、バングラデッシュや日本の問題について議論している時にふと「実際、どうでもいいんじゃないか」「自分がよければそれでいいじゃないか」とさえ思ってしまった。

 私は、この報告書を読んでいる方に質問したい。この様なプロジェクトに本気で世界で起こっている問題を変えたいと思っている人はどれほどいるのか?自分の様な人間は、参加するべきではなかったのか?世界中で起こっている問題について我が身になって、真剣に考えるにはどうしたら良いのか?


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