2020年9月18日金曜日

ベトナム CVJ 2020 (Connect Vietnam-Japan, 2020) 報告書(5)加藤みなみ(立教大学文学科英米文学専修4年)「自分にできることは?」



今回、CVJ2020には、“ベトナム”と“キャリア教育”に興味があって応募した。

ベトナムに興味を持ったのは、これまで見たことのあるベトナム人の顔が、百発百中で丸い優しさを持ち合わせていたからだ。
もしかしたら色メガネで見てきたのかもしれないが、その顔立ちの裏には何かあると思っていた中、初めてのベトナム航空で見たベトナム国内の観光のPRを見て、ビデオの中のあたたかい笑顔のベトナム人と、同じ国とは思えないほど様々な顔を持つベトナムに引き込まれた。完全に私にとってベトナムは夢の国と化した。

 教育については、国内で教育に関わる活動をしてきていたものの、そもそも“キャリア教育”がどんなものなのか日本でさえも理解できていなかったため、一度広い視野で考えたいと思っていた。そのためこのプログラムの、ベトナム×キャリア教育は、私にとってはこれ以上ない組み合わせだった。

しかし、すぐに壁にぶち当たった。
こちらで、壁とそこからの学びを3つにまとめて紹介する。

<英語力>
もともと大きな懸念点だったが、”全て”が初めてだったことで大きな壁になった。
日越の4人グループの中でも、会話についていくことに必死で、自分の意見を持っても英語すら危うい私の意見は危ないと思い、何も言えなかった。
そうしているうちにどこからアプローチしたらいいか完全にわからなくなってしまった。
MTGを重ね、早い段階からグループの案に疑問があったものの、いつかきちんとまとまるはずだとアクションを起こさず、自分からは生み出せずに提出した。
厳しいフィードバックで文字数が提出時よりもはるかに増え、そのほとんどが私の頭にあったものばかりだった。
これをきっかけにもっと自分の意見を言わなければならないと痛感し、自信のない英語コミュニケーションの中でも、自分のペースで思ったことを伝えられるテキストは私にとっていいツールだった。
LINEを使ってリーダーに直接提案をしたところ、私の意見を聞いて訂正や代替案を送ってくれたのだ。
彼女とやり取りをする中で、言わなかったのは自己責任だったとようやく知った。
私の意見は私が言わなければならない。
誰も私の頭の中の意見を言うことはない。
言わなかった後悔も私だけのものだ。
オンラインで物理的に一人でいることも相まって、完全に自己責任で進んでいく。
思いついたアイデアがあり、うまく英語にまとめられずMTG中の発言に自信がないならば、テキストで連絡をすればいい。
グループメンバーは必ずレスポンスをくれると分かり切っていたからこそ、なおさらだった。
自己責任ならば、自分のできることを丁寧に探し、”自分のやるべきことをやる”、だけであることにようやく気が付いた。

<時間制限>
オンラインならではの準備の中に、ビデオの撮影があった。
見ているだけなら、1度しか流れないうえにただカメラを置いて撮っているだけに見えるが、何度も練習と撮り直しをしている。
就職活動も並行していたため、準備に時間を取れない時期があった。
これまで撮影経験がほぼない私にとって、少しハードルの高い準備だった。
しかし、ベトナムメンバーを楽しませる工夫と撮りやすい工夫をし、細かい役割分担をしてくれたメンバーたちがいる。
それ以前に、アシスタントメンバーの細かい気遣いやサポート、そして想像もつかない膨大な準備期間があってこのプログラムは成り立っている。
私の25カ月目の就活は全く別の話である。
このプログラムで私のやるべきことは、私がやるべきことをやることだった。
ここでは、私が撮るべきところのシュミレーションをし、確認し、必要があれば撮影し直す、の3つだけだ。
自分のパートも同じだ。
やることをまとめるためにMTGをし、メンバーに協力を依頼するためにテキストを送信すし、それらをまとめるスライドを作成する。文言を考える。
ただそれだけのことだった。
準備だけではなく、プログラム中も同じだ。
恥ずかしいと思う前にわからなかったら質問する。
できないことはお願いする。
考えていることは言う。
私は全メンバーの中で最年長なのにも関わらず、英語力にも自信がないうえ自分の意見を言うのが極度に苦手なタイプだ。
正直、最年長なのに何も出来ない自分が恥ずかしく、悩んでいた時期があった。
しかし、悩んでいても全く何も進まないうえ、悩むことと考えること、そして学ぶことは全く別の話である。
英語力が苦手ならば、就活の合間を縫って英語に触れる時間を増やす、アイデアが出ないならば文献や教育関連のボランティア活動や教育のシステムについて学べばいい、大学生歴が長いからこその経験や学びは伝える、それだけのことだった。
パソコンと椅子と机しかないからこそ、対面で会うための移動時間が何時間もカットされたからこそ、一人での作業時間が増えたことを存分に活かせる状況もあったことから、自分にできることが明確になった。
あとは、”自分のやるべきことをやる”のみだった。

<これから>
当たり前のことだったのかもしれないが、今回の経験で、私情を持ち込まず”自分にできることをやる”、ということを学んだ。
この経験を活かして、一層興味を持ったベトナムやキャリア教育を深めていくこと、一期一会で知り合ったメンバーとオンライン上の関わりを守っていくこと、いつか会う努力をすること、そして”自分にできることをやる”努力を続けていくのは自分次第である。
私は自分が日本人であることに誇りを持ち、日本の良さを世界に発信していきながら、海外の良さを日本に持ち込みたい、という目標がある。
海外と関わる時だけでなく、日常生活でもこの軸を大切にしている。
今回のプログラムでも、日本の良さを知ってもらうため、チャットで送られてくる質問への回答や自分のパートは出来る限り工夫した。
ベトナム人の優しい顔立ちの裏を知るために質問やリサーチを怠らないよう心掛けた。
 今後も自分のテーマを大切にし、楽しみ続け、いつか社会に還元していくのも私次第だ。
このプログラムで学んだ、”自分のやるべきことをやる”ことを軸に加え、これからも学び続けたい。


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