2019年10月8日火曜日

AAEEネパールMero Sathi Project 2019 8月プログラム 報告書(6)森脇楓子(福井大学医学部医学科二年)

「未知の国、ネパール」

  福井大学医学部医学科二年 
森脇 楓子


このプログラムを一言で表すと、「刺激」です。ネパールではもちろん、日本にいるときも刺激を受けました。
 メロサティプロジェクトの存在は、同じ大学の友達を通して知りました。医学部ということもあり、テストが多く毎日勉強漬けで、自分の中で、「医学だけではなく、様々なことを外で学んで医者になりたい」という思いが強くなっていました。また、海外に行きたいという思いも合わさり、このプログラムの参加を決めました。しかし、テスト勉強と部活、サークルなど毎日することが多くて自分のキャパオーバーにならないか、とても不安でした。このプログラムを教えてくれた友達が、「やってみないとわからないよ!」と言ってくれて、ネパールに行きたいという思いが強くなりました。
 ほかの参加者には初めて、羽田空港で会いました。大学で英語や経済など私が全く知らない分野の勉強をしていて、とても刺激的でした。家族旅行で海外に行ったことはありましたが、プログラムに参加して海外に行くのは初めてでとても不安でした。ネパールに行ったことのある友達が周りにいなくて、ネパールの正しい情報を知らなかったことも不安の原因の一つでした。ほかの参加者の中には海外経験が豊富な人がいてとても心強かったです。
 冒頭で言った通り、このプログラムは私にとって「刺激」でした。私は主に「人」、「自然」、「文化」の三点から刺激を受けました。
 「人」というのはネパール人です。ネパールは発展途上国ということもあり、教育が日本のように進んでいないと聞いていたので自分の偏見でネパールの参加者もちゃんとした教育を受けていないと思っていました。しかしそれはネパール参加者と一言話しただけで覆りました。ネパール参加者はみんな英語がペラペラでした。英語で自分の国の情勢やそれに対する意見も言うことができるレベルでした。私はネパール初日にして自分の英語力のなさと偏見を抱いた自分への情けなさを思い知りました。一番私が衝撃を受けたことは、ネパール参加者がみな勉強熱心であることです。それは参加者だけではなくネパール人全体に言えることです。ルームメイトの一人はいつも朝五時に起きて英語の本を読んだり、化学の勉強をしていました。私が「なぜそんな朝早くから勉強をしているの?」と聞くと、ルームメイトは「自分の知識を増やすことが好きだからよ!そして試験でスカラーシップをもらうためよ。」と答えました。また、そのルームメイトはささいなことから日本の政治のことまですべてに興味を持っていて、何事にも好奇心旺盛で私は感心しました。村に行き、村の小学校を訪問した時もネパール人の勉強熱心な姿に衝撃を受けました。私が「勉強好き?」と聞くと、全員「好き!」と答えていました。また村の子供たち、とくに女の子の夢が医者であることにも衝撃を受けました。私は人を救いたいという思いが第一にあり、医者を目指しているのですが、そのような思いを小学生の時から抱いているということに感心しました。しかしネパールでの女性の社会進出が難しいことや、村から都市に行くのにとてもお金がかかり大学に行くことが難しいとわかっていたので複雑な思いでした。
 日本では見ることのできないネパールの自然に刺激を受けました。日本よりもネパールの「自然」は「人」と共存しているように感じました。村の人はすべて自給自足の生活をしていました。自分たちの服や、農業で必要な道具、家までもがすべて手作りでした。動物のフンも大切な肥料として使っていました。村の人への幸せの調査の時に、村の人が「自分の育てたもので生活できることが一番の幸せ」と言っていたことに「自然」と「人」の共存がよく反映されていると思いました。「自然」と「人」との共存に日本では感じることのできないすばらしさを感じましたが、欠点もあると思いました。動物のフンに細菌が含まれていることもあり、集落全体に感染症が広まってしまうこともあるからです。また、村の近くには大きい病院がなく、動植物を感染源とした感染症にかかってしまうと命に関わる危険性があるからです。「自然」と「人」との共存はあるべき姿だと思いますが、その共存が長く続くためにもネパールの村の医療を見直すべきだと思いました。
 「文化」は私にとって刺激的でした。ネパール二日目の大学での観光のプレゼンの時に、たくさんの民族の踊りを見せていただきました。日本には民族があまりないので民族特有の文化は私にとって新鮮でした。また、ネパールに根付いているヨガや瞑想も教えていただきました。日本では、ヨガは健康のためと思われがちですが、ネパールでは精神統一や自分の中の悩みを取り除くための手段という認識に驚きました。日本の参加者の中には信じている宗教がある人はいませんでしたが、ネパール参加者はほとんどが宗教を信じていました。宗教がネパール人の生活と密接にかかわっていました。
 「人」、「自然」、「文化」の三点が特に私にとって刺激的でした。そして、自分の英語力のなさと大学で学んでいる医学の知識、日本人としての教養が足りないと思いました。

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