2019年10月15日火曜日

VJEP2019ベトナム―日本学生交流プログラム 報告書(8)神保咲 (西南学院大学文学部英文学科1年)

「VJEP 2019~学び多き二週間」

西南学院大学 文学部・英文学科 1年
神保 咲


 大学生活初めての夏期休暇に何かに挑戦したいという漠然とした思いを抱いていた時、以前VJEPに参加した先輩を通しこのプログラムを知った。詳しい活動内容は分からなかったが私はとてもこのプログラムに興味をそそられ応募をし、参加する事が決まった。ベトナムに行くまでに事前ミーティングが何度かあったが私は九州に住んでいる為に出発直前の最終ミーティングにしか参加出来ず、初めから分かっていたが不安でプログラムに貢献出来ていない自分が悔しかった。それでも毎回のミーティングの内容を伝えてくれていたリーダーや、私の役割を準備してくれていたメンバーには本当に感謝している。
 まず、ベトナム人メンバーは本当に優秀な人ばかりであった。初めて会った時とても賑やかで面白い人達だと思ったがプレゼンの準備や議論する場での彼らは別人の様で真剣そのもの。出発前に関先生から彼らのオンとオフの切り替えの凄さは聞いていたがそれでも驚くほどであった。彼らは本当に流暢に英語を話し、考え方も興味深い。勉強が出来るのはもちろんのこと歌が上手だったり、写真を撮るのが上手だったりと1人1人に秀でたものがあり個性豊かなのだ。凄いなあと感じながら私の個性って何だろう、なんて面白く無い人間なのだろうと何も持ってない自分が嫌になってしまうほどであった。ホーチミンで滞在していたゲストハウスから大学へはタクシーで行き来していたのだが、移動中の街中に見える建造物やその歴史などについて詳しく説明してくれて、まるでツアー旅行でもしている様な気分であった。これが反対の立場で私が彼らに日本の建造物や歴史について聞かれたらこんなに説明することは出来無いだろう。こんなことでは駄目だ、もっと日本について知るべきだと気づかされた。
 このプログラムで最も印象に残っているのはビンフックで過ごした5日間だ。それまで滞在していたホーチミンの都会的な要素はなく、街灯も騒音も少ない静かな雰囲気であった。このときの私はあれほど濃い5日間を過ごす事になるとは想像もしていなかったのだ。ビンフックの人々との会話は基本的にベトナム人メンバーを通してだった為会話をするのに時間がかかったが、小学校を訪れた時に子供達は私に沢山話しかけてくれたのだ。その場で教えた日本語で嬉しそうに声をかけてくれ、何度も私の名前を呼んでくれた。言葉の壁なんて関係ない、言葉以上に大切なことを子供達が教えてくれたのだ。私達が授業をしに行ったはずなのだが教えてもらった事の方が大きかった気がする。
 そしてなんと言ってもビンフック4日目でのブ・ギア・マップ国立公園でのハイキングだ。ベトナムとカンボジアの国境は自然で溢れており、初めはその絶景を背に私達は写真を撮りまくっていたがいざハイキングがスタートするとそんな余裕はもう無かった。雨で泥濘んだ山道を恐る恐る歩き知らぬ間に脚に吸い付くヒルと格闘しながらやっとの思いで到着、と思いきや最後に川渡りが待ち構えていたのだ。流されそうになりながら腰まで水に浸かり警備隊の方々に助けてもらいながらやっと到着。竹で調理された昼食を味わい、少し戸惑うような独特なゲームを楽しんだが帰り際にまさかのスコール。もう頭から足先までずぶ濡れで泥まみれ(笑)それからは楽しむというよりは必死さが勝っていた。スタート地点に帰還したときには達成感に満ちあふれていたがヘトヘトだった。だが不思議なことにこのプログラムで一番思い出に残っているのは死んだような顔をしながら成し遂げたこのハイキングで、もう一度行きたいと思うのだ。もっと全力で楽しめば良かったと少し後悔しているが、とにかくこんなにも貴重な体験の場を用意して頂いた事に感謝しかない。
 活動の間や夜にはベトナム人メンバーと色んな事をして楽しんだ。お互いの学校生活や家族の事にふざけた遊びや話も沢山、そして将来のことについて。話す度に彼らのことが好きになり、意識の高さに驚かされ多くのことを考えさせられるのだ。VJEPに参加出来たから私はこんなにも素敵で尊敬できる仲間に出会えたのだ、なんて凄いプログラムなのだろうと改めて思う。ベトナムを離れる時、私はどうしようもなく悲しかった。初めはこんな感情になるなんて想いもしていなかった。沢山笑い、学び、沢山の壁にぶつかりまくった2週間。自分の力のなさを痛いほど思い知らされもがき苦しんだ。また仲間に会える日が来ることを願っているが、その時までに勉学に励むのはもちろんもっと個性のある面白い私になっていようと思う。この素晴らしい経験、出会いをどう活かしていくかは全て私次第、ここで満足すること無く成長していきたいし成長しなければ意味が無い。
 最後に関先生をはじめ日本・ベトナムのオーガナイザー、サポートしてくださった全ての方々、本当にありがとうございました。

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