2019年10月16日水曜日

VJEP2019ベトナム―日本学生交流プログラム 報告書(9)旗手有菜 (筑波大学国際総合学類2年)

「MY BEST FRIENDS」

筑波大学国際総合学類2年 旗手有菜


 私はホーチミンのタンソンニャット国際空港にみんなより1時間以上も遅れて到着した。タイでの乗り継ぎは一人きりで不安だった。思えば私は海外に長期間滞在すると、必ず体調を崩してきた。そんな心配が頭を駆け巡り、今回も体調を崩すだろうか、みんなに迷惑をかけないかとずっと不安でいっぱいだった。
 そんな中、空港に着いた時、私の心配とはよそに皆はとても歓迎してくれた。ホテルにやっとの思いで着いた時も、私の疲れはよそにみんなとても明るく元気に私に話しかけてくれた。私のバディに初めて会えた時も、嬉しさのあまり長時間話し込んでしまったほどだった。ああ、このベトナムメンバーたちはいつも活気に満ち溢れていて、フレンドリーで、周りの人々を明るくさせる力があるんだろう。私はその時、瞬間的に感じた。
 私が今回のVJEP2019に参加して、ベトナム人メンバーから感じとったことは、2つある。1つ目は、彼らは様々な意味でエネルギーに満ち溢れていることだ。例えば夜、活動が終わって寝る前の雑談の時。日本人メンバーは比較的、夜は静かにしていたり寝る準備をしている人が多かった。だが、ベトナム人メンバーのほとんどは常に誰かと話をしていたり、笑いあっていたり、遊んでいたりした。そのエネルギーはどこから出ているのだろう。私は当初不思議で仕方がなかった。だが、考えてみると、確かにその彼らの明るいエネルギーによって私は彼らと仲良くしたい、もっと彼らを知りたいと思えていることにも気付いた。友達を作るプロセスにおいて、彼らは非常に秀でているのだろう。周りの人々と仲良くなるには、自分から周りを巻き込んでいくような明るいエネルギーが必要なのだと分かった。つまり、周りの存在があってこそ自分がいるという考え方に切り替えていくことで、周りの人々に配慮し、また仲良くなることができるのだと感じた。私もそういう考え方を持っていきたいと思えた。
 他にも、夜にプレゼンテーションの準備をするとき、ベトナム人メンバーは最後まで手を抜かずに作業をしている姿が印象的だった。寝る間も惜しんで作り上げようとする精神には、大きなエネルギーを感じた。これは、彼らがオンとオフを上手に切り替え、自分の仕事に責任を持って取り組んでいるからできていることなのだろうと思った。当たり前のように感じるかもしれないが、自分のタスクに常に全力を発揮するというのはなかなかできることではない。それだけのエネルギーを使っていた彼らには、尊敬の気持ちでいっぱいだった。このような、常に目の前の出来事に本気で挑むベトナム人メンバーの姿は、私たちが見習うべき姿なのではないかと感じた。常に目の前のことに全力になるのはエネルギーがいることであるし疲れることもあるかもしれないが、常に全力であるが故に見えてくるものがあるはずである。特に、今何に取り組んだらいいかわからない、本気になれるものが欲しいと考えている人には、まずは全力で目の前のことに当たってみることが大切だと思った。
  2つ目は、彼らは常に根が真面目だということだ。いつも楽しそうに笑っている姿が印象的であったが、一度彼らと将来のビジョンについて語り合った時には、彼らは将来どうなりたいか、そのためにどうしていきたいかを迷いなく語ったのだ。尚且つ彼らは高い目標を持ち、それらを語ってくれた。これらのことから、私は、彼らが将来について深く考え、明確にすることができているのだろうと感じた。もちろんそれは日本人メンバーにも言えたことだが、私はここまで将来のビジョンを明確に、そして順序立てて述べることはできていないような気がした。彼らの、将来のことを真面目に考え、その目標までの道順を丁寧に調べ上げているところに感動した。私もそうなりたい、そしてそれを超えていきたいと思えた。これからは、将来の夢のために今できることは詳細に調べ上げ、今よりもさらに夢に近づけるよう毎日努力していきたいと思った。
 このように、彼らの性格、振る舞い、思いなどから学んだことはたくさんあった。このプログラム中大変なこともたくさんあったが、それ以上に彼らに出会えたこと、彼らと友達になれたことは私にとって非常に大きい収穫であった。この友情をこれからも一生大切に暖め続け、大人になってからも共に仕事の話ができるような関係であり続けたいと思った。彼らに会えて本当に良かった。そんな大切な友達ができたという意味でも、このプログラムは私にとって非常に有意義なものであったと感じている。

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