「VJEP2019を通して」
上智大学総合グローバル学部1年 三浦桃花
高校の時のベトナム人との交流をきっかけに、ベトナムへ行ってみたいという思いからVJEPへの参加を決めた。東南アジアの国々ではボランティア系のプログラムが多い中、交流がメインのプログラムは珍しいと思ったのも参加理由の一つである。
事前準備の進捗状況があまり良くなかったり、与えられた課題を自分の理解が不十分なまま不完全な状態で提出してしまったりと、出発前から焦燥感や不安を抱いていた。
8月16日の夜、ホーチミンの空港に到着し、ベトナム人オーガナイザーの数人がVJEPのサインとお菓子を持って私たちを迎え入れてくれた。あの夜、ホステルへ向かうバスの窓から見たネオンの光に照らされた街、バイクや車のクラクションの音はとても新鮮だった。(新鮮さを感じたのは最初だけで、2週間の間に嫌という程見るが帰国してから気付く、そういえばきれいだったなと。)ホステルに着くと、ベトナム人メンバーは私たちにフレンドリーに話しかけてくれて、自己紹介などをしてくれた。ベトナム人の名前は発音するのが難しく、覚えるのに一苦労した。ベトナム人の初対面とは思えぬ親しみやすさに私の不安はワクワクへと変わり、これから20人の素晴らしいメンバーで作り上げていくプログラムに期待が高まった。
SDGsの劇、文化パフォーマンス、ディベート、ディスカッション、チームビルディング、文化体験など様々なイベントが詰まった超過密スケジュールで、1日の進みが遅く感じるほど毎日濃度の濃い日々を送り非常に充実していた。(毎日疲れて交流どころではなく、日本人とばかり話していた時があったのは今思うと後悔の念でしかない。もっと頑張れたはず!)後悔といえば、自分の知識不足を非常に悔やんでいる。ベトナム人の英語力や知識量には驚いた。白熱するディスカッションやディベートに圧倒され、途中で集中力が切れて訳が分からなくなってしまった。ベトナムや今回のテーマである環境やビジネスに対する自分の無知さを痛感し、事前に学習しておけば良かったと何度思ったことか。
私がこのVJEPで最もインパクトを受けたのはビンフック省での滞在である。ビンフック省では、素晴らしいセレモニーの舞台を用意して頂き、私たちを盛大に迎え入れてくれた。ビンフック省でのセレモニーの改まった感じや宴会の席での様子、お寺での作法などが日本と非常に似ていると感じた。私にとって社会主義国への訪問は初めてであり、日本との共通点を多々見つけられたのは嬉しかった。
ビンフック省では2泊のホームステイがあり、私にとって初のホームステイで(中には結構やばい、大々的にカルチャーショックを受けるような家があるとか言われていたから)少し不安だった。しかし、私のホストファミリーはとても親切で裕福な家庭だった。家でカラオケをやっていたり、ホストブラザーはスマートフォンを持っていたり、ホストシスターは韓国のアイドルグループの写真やポスターを部屋の壁に貼っていたりと、裕福さが伝わってくる。しかし、この地域でそのような家庭は珍しく、道を歩いて様々な家を見るだけで貧富の差が激しいことが分かる。
私はビンフック省の道路が割と舗装されていることに驚いた。やはり、バイク大国なだけある。(私が以前カンボジアのカントリーサイドを訪れた時、道路はガタガタで信じられないほど揺れたが、ビンフック省はそこまでではなかった。)バイクによる環境汚染は問題であるが、便利すぎてこれは手放せないと感じた。事前課題で、バイクではなく自転車や電動自転車の利用者を増やせば環境汚染が改善するのではと考えていた私の詰めの甘さに腹が立った。もう一つ驚いたことがある。それは、高校生の英語力の高さである。ビンフック省の小学生は日本の小学生と同じようにそれほど英語はできていなかった。そうすると、スタート地点は同じである。しかし、小学校から高校の間の数年でこれほど日本の学生と差がつくとは。日本の受験のための英語の学習が、海外に通用する実用的な英語の学習に少しでも変わることを願う。
私は今回のVJEPに参加するまでビジネスに興味がなかったが、グリーンビジネスというテーマでプレゼンテーションをしたこと、経済系の大学に通うベトナム人メンバーと出会ったことでビジネスによる持続可能な開発に対する関心が高まった。ビジネスに関する知識が浅いのでこれから学んでいきたい。また、このプログラムで自分の英語力の低さ、知識の無さを後悔したので博識のある英語がペラペラな女になるべく努力していきたい。
書きたいことがありすぎて全くまとまりのない文章になってしまい申し訳無いが、それほど充実した日々を過ごし、様々な気持ちや感情が溢れ、整理が追いつかないのだ。これほど多様性に満ちたメンバーと泣いて笑って、共に過ごしたディープな2週間の記憶は一生私にこびりついて落ちないだろう。きっとこれからビッグになるであろう、優秀でユニークなベトナム人メンバーの将来が非常に楽しみである。賢くて独創的な19人と私を巡り合わせてくれて、アメイジングで唯一無二のプログラムを作ってくれたAAEEの関係者の皆さん、金銭的協力をしてくれた両親に感謝の意を伝えたい。本当にありがとうございました。
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