2016年10月12日水曜日

AAEEベトナムプロジェクト<8月>報告書(6) 森雄大(中央大学商学部2年)

「このプログラムで得られたこと、必要だったこと」

                       中央大学商学部商業貿易学科2年
   森 雄大

 このプログラムはほとんどの人がお互いを全く知らない状態で始まり遠慮した話し合いから始まると思いきや、皆積極的な議論を展開できるとても優秀なメンバーでした。
何よりも皆のすごいところは、厳しいスケジュールの中でも常に相手と話すときには明るく笑顔でいれることでした。一見他により重要なことがあるように思えますが、今回のプログラムの目的であった国際交流を行うにはそれは不可欠なことでしょう。そもそもこのプログラムでコミュニケーションをぞんざいにするようであれば国内の座学で事足りるからです。


ベトナム人メンバーも明るく積極的で、遊ぶ時と真面目にやるときの切り替えがうまく、何より日本人メンバーのことを常に考えてくれていました。ベトナムメンバーの人たちは普段は勉強で忙しいそうで遊ぶ機会が滅多にないそうです。そのため、プログラム中遊ぶ時には全力で楽しむ姿勢が見られ、限られた時間の中で如何にしてたくさんのことができるか、時間を有意義に使えるかを考えているのかがとてもよく感じられました。
そしてベトナムの国自体も活気に満ち、町中に溢れる車とバイクに建ち並ぶ海外企業のビルは圧巻で、その街中をバイクで走るなど興味を惹かれる楽しいことばかりでした。
しかし、予測していない事態が多く起きたこともありました。例えば思うように準備が進まなかったことや、現地での急な予定変更、ベトナムメンバーとの対立などがありましたが、この事態の中でも皆悩みながらも結果的には解決でき、トラブルは逆に良い成長剤になりました。予測不能の事態に直面した際の決断力や精神力は社会で求められる大切な能力の一つで、日常生活の中で身に着けることはなかなか難しいと聞いたことがあったので良い機会でした。ただ、その事態をリーダーに任せきりになることが多く、リーダーの負担は許容量を超えるものとなってしまっていました。それの原因としてはメンバーとリーダーとの信頼関係がうまく創設されていなかったからであると考えられます。この原因の一因には自分にも大きな責任があります。団体としてすべき仕事を個人的なものとしたために不信感が生まれ、仕事を任せるに値しないと判断され仕事が個人に偏るという悪循環が生まれたことについては反省すべき点でした。
ところでその他にも自分個人の反省点がいくつかあります。一番の反省点は英語力の低さでした。ベトナムメンバーの人たちも国内で英語を勉強しているという点で自分と同一条件であるにもかかわらず、あれほどの英語力の差があることにベトナム人の学習意欲に驚かされるとともに自分の甘さに改めて気づかされました。他には前述した非協力的な姿勢は、途中まで自覚がなかった分余計に意識していかなければいけない部分だと深く反省しました。
しかしながら今回のプログラムはベトナムメンバーにとってはもちろんのこと、我々日本人メンバーにとって大変貴重な経験になったと思われます。それはただ新しい環境に置かれたからということではなく、例えば企業などの何かを得るために能動的に動く団体の中で行動できたからです。普段能動的に行動しているつもりであっても大学に通い、時給制で働いている学生には中々めずらしい機会であったと思います。このプログラムの特徴的な点は留学や学校などの様に金を払い「教えてもらい」にいくのではなく、自分で「学びに行く」ところにありました。実際には先生に学生には対応できない事態の際に、また自分たちの至らなさ故に起きた問題もフォローして頂きましたが、基本的に先生は責任者ではないという考えに基づき自己責任で行動することは、今までで初めての体験であった人もいるのではないかと思います。
結論として、今回のプログラムの様々な経験やアクシデントを通して学んだ中で特に重要なのは、礼儀、責任感、そして他者への気遣いなど社会に関わる人間としての基本的なことこそが、言語や文化の理解と並んで国際交流に必要だということ。それに尽きます。


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