2016年10月23日日曜日

ベトナムVJYE 2016 報告書(6) 村上 弘明 (東京経済大学経済学部3年)「ベトナム研修を終えて」

「ベトナム研修を終えて」

東京経済大学経済学部3年
村上 弘明

93日から二週間の海外研修に参加した。今回のベトナム研修は、私にとって二回目となる海外渡航で不安もあったが、とても多くの事を学べたと思う。これから、私がこの研修で学んだことや感じたことを述べたうえで、私の今後の在り方について述べていく。
まずは、私が二週間ベトナムに滞在して気づいたことについて述べていく。私が気づいたのは日本とベトナムの関係性の良さだ。学生交流をしている時も、日本が好きで日本語を話すことができる生徒、日本のアニメやキャラクターを知っている学生が多かったように思う。大学でも日本語を教わる機会があるそうで、世界的に見たら役に立たないはずであるのに、日本語に興味を持っていてくれて嬉しかった。
また、ベトナム戦争の背景を学んだ時に、日本とベトナムの今の関係性がとても深いことが分かった。現在は、ベトナムと日本は非常に親睦が深いが、ベトナム戦争の最中は、直接的に敵対していたわけではないが、今ほどの友好関係はなかったであろうと思う。しかし、枯葉剤の被害を被って生まれてきた子どもたちをみた日本人の医者が、人道的観点から救済を試みたのがきっかけで少しずつ関係性が改善されていったのだと学んだ。ベトナム戦争の写真が展示されている博物館では、枯葉剤がもたらした最悪の被害の写真を見てとてもショックを受けた。また、今回の研修では被害を受けた子どものひとりであるドクさんとお会いできる機会もあり、ベトナム戦争の悲惨さを生で聞くことができた。人は過ちを犯さないと気づかない生き物で、平和の重要性についても改めて考えさせられた。
次に、私が学んだのはコミュニケーションの取り方と英語の最重要性である。これはベトナムに渡航する前から分かっていたことだが、日本にいるのと現地に行くのとはまるで違い、ベトナム人が話す英語にはベトナム人の癖やイントネーション、日本人が話す英語にも日本人のそれらがあると分かった。しかし、外国人とでも英語を使えばコミュニケーションが取れることに喜びを感じた。英語は本当にすごいと感じた。中には困った場面もあった。まるっきり違う発音があって、意思疎通に困難が生じるような癖もあった。これは逆に、ベトナム人学生にもいえることで、私の英語が通じない場面が多々あったように感じた。また、ベトナムと日本は同じ、英語を主言語としない国であるにも関わらず、ベトナム人学生のほうが私たちより流暢に英語を使いこなせていたような気がした。しかし、このことが俄然私をやる気にさせた。同じ主言語としない国の人たちでもこのくらい話すことができるなら、自分ももっと勉強してやろうという気持ちになることができた。   
また、学生交流のなかで話すネタがないというようなことに陥ることはなかったが、話を深く掘り下げることができないという点で悔しさを感じた。ベトナム人学生はとても面白くて頭もよくて、もっと深く語りたかったが、深い話になるとただ、頷いて聞いているだけになってしまっている自分がいた。しかしながら、意思疎通ができなくても、笑顔があれば乗り切れることも学んだ。日本人学生の中にはノリでその場を乗り切ってしまえる人もいてうらやましく思った。私ももっとノリや笑顔を大切にしようと思った。
HUTECH大学での交流

もう一つ、印象に残ったのが、「持続可能な開発目標(SDGs)」における活動である。持続可能な開発とは、現在だけではなく、これから先将来も、世界中の人々が安心して、自分の能力を十分に発揮しながら、満足して暮らせるようにするために、国連が掲げた目標である。私たちは中でも、主に環境問題に焦点を当て、現地に訪れる前に各自でパワーポイントを作り、それを発表した。スライドの内容は、17のグローバル目標のうち、各自が選択した課題と、日本における環境問題の解決策について示すものであった。発表の際には緊張しすぎ、原稿に目が行ってしまった。また、その後の講義では主に、ベトナムについての環境問題が話されていたが全容が聞き取れず質問することができなかった。ここでも自分の勉強不足を思い知り、専門家である講師の先生に失礼なことをしてしまったと思った。しかし、村でのごみ箱づくりの活動はとても達成感があった。学生たち全員で協力して、村にリサイクルボックスを設置した。暑い中いくつも穴を掘り、何度も往復しセメントを運んだ。村には都会とは違った雰囲気の人々が住んでいて、村の子どもたちもずっとその活動を見守っていた。村の人々はホーチミンとの格差も感じたが、みんな楽しそうに見えた。
村の子どもたちとの写真

最後に、ベトナムでこれらの貴重な経験ができて二週間本当に充実していたと思う。日本に帰国後も私の英語学習に関するモチベーションは依然高いままで、ベトナム人学生とも今も連絡を取り合ったりしている。また、英語学習時間がベトナムを訪れる前に比べて確実に増えたと思う。今回の研修を経て、私の海外に関する関心がさらに深まった。これまで、私の将来の夢や目標は漠然としたものであったが、英語を使っていろいろな人々と交流できるような仕事に就きたいと強く思うようになった。英語学習に関しても前に述べた通り、ベトナム人学生だったからこそ切磋琢磨できた部分もあったに違いないと思う。
ただし、この研修では私はベトナムのほんの一部を知ったに過ぎない。ベトナムが発展途上国と言われる、その理由の部分について詳しく知ることができたわけではない。これから、さらに英語能力を向上させるとともに、ベトナムについてもっと関心を寄せていきたい。


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