2016年10月29日土曜日

ベトナムVJYE 2016 報告書(13) 高橋 侑汰 (東京経済大学経済学部2年)

「“交流する”ということ」

東京経済大学経済学部2年
高橋 侑汰


今回、私は関昭典ゼミナールの一員として、VJYE2016 (Vietnam Japan Youth Exchange 2016)に参加しベトナム・ホーチミン市にて2週間、主に現地大学生との交流などの活動を行った。この研修は93日から同月16日まで行われた。
今回の研修は成田空港でのミーティングによりスタートした。ミーティングでは、到着後の予定、注意事項等を事細かに確認し、当ゼミ3年山田悠貴より編成された日替わりの責任者の発表もあった。日ごとに3人一組のユニットが組まれ、日替わり責任者の仕事内容は点呼、各場所を離れる際の忘れ物確認、翌日の責任者へ翌日程の情報伝達などというものだった。我々は成田にて万全の体制を整え、飛行機に搭乗したのであった。
機内では特別、研修についての話をすることはあまりなく、ゼミ生一人一人がリラックスし、それぞれの時間を過ごした。到着後に対面する学生たちに疲れた表情を見せないために、ということだった。機内で揺られることおよそ6時間、飛行機は無事、タンソンニャット国際空港に着陸し、我々はベトナムに到着した。
タンソンニャット空港にて初対面。まだ誰の名前も分からない。

空港を出ると、夜も更けて日付が変わっているにも関わらず、これから行動を共にするHoasen大学の学生メンバーがロータリーにて出迎えてくれた。そこで挨拶を交わし、彼らとバスでホテルへと向かった。まだ会話の少ないバスで不安と期待が交錯する中、およそ30分でホテルに到着した。私はホテルに到着し部屋に入るや否や、ベッドで眠りに入った。ここまで。まだ“交流”はさほどなされなかった。

朝起きてホテルで朝食を食べてからロビーへ降りると、現地学生メンバーが来ていた。彼らに案内され私たちは彼らの通うHoasen大学のビルに辿り着いた。そこで彼らは我々のために歓迎式を催してくれた。そこではまずメンバー全員が自己紹介をした。そして現地学生メンバーがパフォーマンスを披露してくれた。実は我々もパフォーマンスの準備をしていたため、そこで披露させていただいた。両方のパフォーマンスは共に自国の風土や伝統を表したものであった。“文化交流”がそこでは行われた。
その歓迎式の後、我々は現地学生メンバーとともにコーヒーショップに行き、茶話会が開かれた。そこで我々は初めて真面に“会話による交流”が行われた。その後全員にバディが発表され、バディが街を案内してくれた。その間私はバディとたくさん話をした。会って間もないので、趣味、国についての話、大学の話、将来の夢の話、アルバイトの話、家族の話など話題はたくさんあったので会話が詰まることはなかった。
ホーチミン市内で公園の清掃活動や別大学への訪問など様々な活動を終えた後、我々は910日より3日間を人里離れた小さなタライ村という村で過ごした。そこでは、現地学生メンバーと様々な活動を行った。中でも村内のごみ箱設置活動は印象的である。現地学生メンバーと4,5人のグループを組み、村に共用のごみ箱を設置した。その過程では現地学生メンバーと協力して完遂することができた。またそこで現地学生メンバーがとても真面目であるという印象を受けた。
タライ村での3日間で現地学生メンバーとの心の距離がすごく縮まったと実感したのは、タライ村を出てホーチミンのホテルに戻る際のバスの中である。それまではバスに乗る際は日本人学生とベトナム人学生が隣同士で席に座ることはほとんどなかったのだが、そのバスでは、日本人同士が隣同士にはならず、かつ車内が会話で賑わっていた。

タライ村にて撮影。意図せずとも服の色が揃ってしまう一体感

しかし別れというものは惜しい時にやってくるもので、タライ村からホーチミンに帰ってきてはすぐに帰国準備に追われ始めそのときはすぐにやってきた。最終日、空港に向かうバスの中、またそれ以前のホテルを出る際にも、別れの惜しさに涙を流してしまう学生も少なくはなかった。そこで私は改めて、この2週間で築いた現地学生メンバーとの親密さを実感した。搭乗時間ギリギリまで空港のロータリーで会話をした。ベトナムへの名残惜しさを感じる時間であった。
別れの時。「また会おう」と皆で誓い合った。
日本に帰国した今も、彼らとは連絡を取り続けており、メンバーの中には再度ベトナムへ行く、またベトナム人学生の中にも、来日を予定しているという者もいる。この研修で出会ったVJYEベトナム人メンバーは今後も良き友人として大切な存在になることは間違いない。


研修を終えて
今回の研修で私は“交流”というものについて考えさせられることが多かったと感じている。今まで“交流”というのは、いわば会話することであり、その手段でもって相手のことを知っていくことだと思い込んでいたが研修を終えた今、“交流”は単に会話で相手を知ることではなく、体験、実経験でもって相手のことを知っていく、また自分のことを知ってもらうことも“交流”のうちではないかと思っている。会話がなくても“交流”はできる、ということを思い知らされた研修であった。

最後に、この研修に参加する機会を与えてくださった関昭典先生をはじめ、大学関係者様方、家族等に感謝したいと思う。

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